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「奇縁-another story-」

オーストリアからイタリアに抜ける182番道路。
オーストリアの都市、シュタッツがほど近いその道の路肩に、大型オートバイと、二人の人間がいた。

「…いつになったら直るんだよ」
オートバイから少し離れたところに立つ、顔立ちが幼い茶髪の男が不満げに言った。
「もうちょい待ってや」
バイクの機関部を、黒ずんだ軍手でいじっている黒髪の男が返す。
彼は、茶髪の男より多少老けて見える。

「さっきから、そればっかじゃん」
「それは、ロヴィがさっきから同じことばっか言ってるからやろ」
「…うるせえ。馬鹿アントーニョ」
「はいはい」
さらりと流された所為で少し虫の居所が悪くなったロヴィ―ロヴィーノは、アントーニョの背にもたれて地面に腰をおとす。

「…あのさあ、」
歯切れ悪く、ロヴィーノは切り出した。
「んー?」
「…いたんだ」
「何がー?」
「俺にそっくり…っていうか、同じ顔の奴が」
「へー。どこにー?」
「ちゃんと聞けよ!」
適当な返事はいつものことだが、それがロヴィーノの癇に障ったようだ。
「聞いとるって」

ロヴィーノをなだめて、話を促すアントーニョ。
渋々といった様子で、ロヴィーノは話を続ける。
「…学校」
「ふーん。……って、ええっ!?」
アントーニョの手からスパナが滑り落ち、高い音を立てて地面にぶつかる。
「…まだ、あいつかわかんないけど」
「ロヴィがそう思ったってことは、そうなんちゃうん?」
「なんであそこにいたのか、わかんないし。でも、あの時、あそこにいたってことは…」
声を伴わずに、ロヴィーノの唇だけが動く。
「…そうかもしれんな。けど、良かったやん」
「え?」
「生きてたってことやろ?」
「そうだけど…」
俯くロヴィーノに、アントーニョは底抜けに明るい声で言った。
「…あんな、これからどうなるかとか、考えんのは後でもええやん。とりあえず、今は喜んどこうや」
「……うん。わかった」
ぽんぽん、とロヴィーノの頭の上に手が乗せられる。
彼は顔を上げ、アントーニョの笑顔を見る。
「…っ触んな!」
その手を振り払って立ち上がり、ロヴィーノはどこかへ行ってしまった。
「そんな怒らんでも…」
アントーニョが視線を下に落とすと、黒ずんだ軍手をはめた自分の手が視界に入る。
「あ、だから怒ったんか」

どうか、隣にいる人が悲しむ結末にはなりませんように。
この世界にいるのかも判らない神に、ただそう願うばかりだった。

終われ。長いんだよ!
ここからは、作者のあとがきのターンです。どーでもいいって方は、スルーの方向で(笑

相変わらず、翻訳はエキサイトとグーグルです。正確さは皆無なので、あしからず。
前回、フェリクスが話しかけられたあのセリフ、何て言ってるかわかりました?わかった人はすごいと思う。100ポイントあげたいくらいですね。

高校って、いいですよね(何
一度こういうお話を書いてみたかったんです。高校に潜入、みたいな。菊様ばりテンション↑↑ですよ。
仲の良い米と日が書けて楽しかったですね。今までは結構殺伐とした間柄だったので…。
仏セーは正義!!←不憫な仏も書けて良かったです(笑
独伊コンビ、最高ですね(笑
自分で書いてて萌(ry
西ロマは言わずもがな!銃撃戦は相変わらず!楽しかったです!←
独と墺の過去話はまた書きたいですね。多分、書かないと意味わかんないかと。「ローゼンハイム連続一家殺傷事件」の全容は、時間があれば、書いていきます。
それか、リクがあれば(笑

作者の趣味丸出しで今回も終わりますた。
実在の機関などとは、一切関係ないです。←言ってみたかった(笑