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注意!!
・かなりギャグ注意! ・西が黒い。普と仏が大分不憫です。

悪友 In IZAKAYA〜Let's 注文〜



来客を告げる扉の開く音が居酒屋の中に響き渡る。
と、同時に店内に入ったアントーニョ、フランシス、ギルベルトの三人は満面の笑みを浮かべた女性店員に迎えられる。 

「何名様ですか?」
「あ、三人です」
「煙草をお吸いになりますか?」
「いえ」
「かしこまりました。…三名様入りまーす!」

店のあちこちから、いらっしゃいませと元気に叫ぶ声が聞こえる。
居酒屋の女性店員は三人を半個室のようなテーブル席に案内する。
右手の奥にフランシス、その隣の通路側にギルベルト、左手の奥にアントーニョ、という感じに席に着く。

「ドリンクのご注文はお決まりですか?」
尋ねる女性店員に、フランシスは軽い口調で話しかけた。

「君、可愛いね。今晩食事でもどう?」
「黙れ。頭わいとんか。今晩って今やろ。ねーちゃん、俺酎ハイ。プーは生中やんな?」
鋭い突っ込みをいれながらも、注文するアントーニョ。
「ああ」
「生中一つ。で、そこの頭わいてるやつが…あれ、ワインないわ。もう酎ハイでええよな。酎ハ…」

言いかけたところに、フランシスの止めが入る。

「よくないだろ!ワインと酎ハイって結構な差だぞ?」
「そうなん?じゃあ梅酒で」
「待て!なんでそっから梅酒に飛ぶんだよ」

またもやフランシスの止めが入った。

「え、同じ果実酒やからもうええかと思って」
違いのわからない男っぷりを見せつけつつ、アントーニョは言った。
「全く違うよ!いいか、梅酒は酒に…」
「へーそうなんや」
早くも流すスタンスのアントーニョに、フランシスは突っ込みを入れる。
「お兄さんまだ何も言ってないよ!」

「お客様」
見かねた女性店員がアントーニョに話しかけた。
「何?」
「ワインはこちらのページにございます」
彼女は開かれていたページを一枚めくって、手で示す。
「あ、そうやったんか」
「じゃあ俺、白ワインで」
メニューを覗いてフランシスは注文する。
「以上でよろしいですか?」
「あ、はい」
「ご注文繰り返します。酎ハイお一つ、生中お一つ、白ワインお一つでよろしいですか?」
「はい」
「失礼します」
女性店員は席から離れ、厨房へ歩いていった。

「なあ、聞いてくれよー」
話を切り出したのは、ギルベルトである。
「何?プーはレバーとかいっちゃう感じなん?」
対して、アントーニョはメニューから顔をあげずに返事をする。
フランシスに至っては無視であった。
「ちげえよ!俺様の話を聞け!」
「え、何?絡み酒?飲む前から酔ってんの?気持ち悪…」
「ちょ、ひどくね?しかも、まだ酔ってねえし」
「そうなんや。それ聞いて安心したわー」
と、アントーニョは心にもない台詞を口から垂れ流した。

「お兄さんこれ食べたい」
「あ、確かにそれめっちゃ美味そうやんな」
「え、どれだよ」

食いつくギルベルトに、冷めた対応がデフォルトになってしまったアントーニョが言う。

「プーはあれやろ?ジャガイモさえあれば何杯でもいける感じやろ?」
「そうそう、そうなんだよー。……って、なんでやねん!」
びしっと効果音がつきそうなほど、素晴らしい突っ込みっぷりだった。
が、フランシスは軽くスルーしてアントーニョに尋ねる。
「で、結局何頼むの?」
「せやなあ…」
「無視かよ!」

かつて、これほどまでに虚しい一人突っ込みがあっただろうか、いや、ない。
彼の一人突っ込みは世界を同情の渦に叩きこみ、世界から涙が消えることはなかった。
なんて彼は…(中略)。

「失礼します。こちら生中でございます」
女性店員がテーブル席の近付いて言った。
「あ、こいつです」
言いながら、ギルベルトを指差すアントーニョ。
「酎ハイのお客様」
「俺です」
アントーニョは手をあげて答えた。
「こちら白ワインでございます」
フランシスの傍にグラスが置かれる。

「他に、ご注文はございますか?」
「あ、ちょい待ってな」
フランシスと相談しながら、アントーニョは料理を注文していく。
その間ギルベルトは独りで机に突っ伏していた。

果たして彼は、魔のジャガイモトライアングルから抜け出すことができるのか!
そして飲み会は、新たなステージへと進んでいくのであった…。


次回へ続く!





嘘です続きません… あ、ごめんなさい!なんでもするからなぐらな(ry